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2047年、宇宙と地上に引き裂かれる恋人たち『ほしのこえ』を鑑賞しました

映画 アニメ

人類史上最長の遠距離恋愛

 恋愛においての相手との距離感は非常に大切であって、物理的距離・精神的距離が近ければ近いほどに深く相手を知ることが出来るが、そのいずれかが離れてしまうと、途端に相手の存在すらも感じられなくなってしまう。如何に通信機器が発展した現代であっても、電話やメールだけでは本質的な距離を縮めることは難しい。本当に相手との距離を詰め、互いを認識したいのであれば、実際に逢うことが大切だ。しかし、様々な制約からそれが叶わなくなってしまった時に、人は何を思い、何を感じるのだろうか。

 愛する人と離れた時に打ちのめされる人間を癒してくれるのは<時間>だと言われている。たとえ二度と逢えなくなっても、会話を出来なくなっても、赤の他人になっても、時間は思いを風化してくれる。しかし、あるとき不意に、それでも相手は存在しているのだと頭を過ぎり、どこかで誰かと話をして、考えごとをして、朝は起きて、夜は眠って、それを繰り返しているということに気が付くと少し息が止まる。そんなこと当たり前なのに。気持ちの蓋が開きそうになってしまうことが怖ろしくて、別のことに意識を向けたり、なるべく本を読んだり映画を観たり空を眺めたりして、そういった行為が、自分を騙すことだと気が付いているのに、でもそれが当然になってしまう。

 宇宙と地上に引き裂かれた場合、物理的・精神的に加えて時間的距離についても加味しなければならない。地上と宇宙では時間の進み方が異なる。<ウラシマ効果>という現象があって、光速に近い速度で運動をしている物体の時間の進み方は、静止している観測者に比べて遅くなるという現象である。 宇宙で光速に近い乗り物で何年も旅行し地上へ帰って来れば、地上の同級生たちは皆、年上になっている。

 もし10年も経てば、また出逢った時に、その人を愛することは出来るのだろうか。

ほしのこえ

ほしのこえ

 

あらすじ

 2039年、人類は火星に到達するが、謎の宇宙生命体タルシアンに全滅させられてしまう。これはかなりショックな出来事だ。そういえば全滅ってひらがなで書いた方が絶望感が大きい。「ぜんめつ」ほら、かなり変わった印象でしょう。

 さて、火星に最初に到達した人類は「ぜんめつ」したが、それでヒトがへこたれるわけもなく、逆に火星で見付かったタルシアン・テクノロジーで色々な様々な科学技術を発展させた。その点ではタルシアンは有益な存在であった。

 その後、タルシアン調査のために人類は調査団を結成する。しかし何故か若い少年・少女が選抜メンバーに選ばれるらしい……きっと、おじさんおばさんだと純粋じゃないから調査するにしても黙って従ってくれないのだろう。そこで中学生の子どもたちを利用する国連軍、容赦ないね。

 同級生のノボルとミカコはとても仲が良いのだけど、何故か付き合ってない。中学生だし、そういうのは高校生になってから……なんて思っていたのに、ミカコが国連軍の選抜メンバーになってしまい、二人は宇宙と地上に引き裂かれてしまうのだった。


「ほしのこえ」予告編

25分で切ないし、ずっと切ないまま

 最近、新海誠監督の『君の名は。』が大ヒットしていますが、私はまだ観ていないのでdTVで『ほしのこえ』を観るのでした。実際、何となくの鑑賞だったのですが、風景が美しくて好きですし、最初から最後までずっと切なくてまいった。具体的に書くと「あー、これは切ないな。うん、切ない切ない。あ! こりゃ切ないわー、え! そんなんなったら切ない! うわぁ切なーい! えぇーマジか……切ない。ああ、そうか、ああー。うん、えー、あーうん。切ないね……」という感じの25分でした。主題歌も切ないよ。

 この作品は新海誠監督が個人で制作したものらしく、もう大体の人が同じこと書いてるのですが個人制作でこのクオリティってやっぱり凄まじいな、2002年公開だけど今観ても風景の美しさが凄い。個人的に良かったと思ったシーンは、主人公のノボルくんが自宅に帰った時に灯りが点いて消えて、埃が舞うシーン。埃が舞うのって、こんなに美しかったっけ? 私は埃アレルギーなので映像で観ただけで満足しますが実際は見たくない。

声優もやった新海誠監督

 本作はノボル役を新海誠監督が演じており、その事実にびっくりしたんだけど凄く良い声でした。勿論、相方のミカコを演じた篠原美香さんもかすれ声が非常にキャラに合っていたのですけど、白眉が新海監督ですよ。好きな声だなぁー。オリジナル版はこの二人がキャストらしいのですが、商業用DVD版は職業声優の方がやられているようです。dTVはオリジナル版の配信だったんだね。いや本当に貴重な経験だった。他の作品でもカメオ出演とかしてるのかな? 少し気になるところです。

携帯電話に突っ込むのは無粋

 この作品は舞台が近未来2047年なんですけど、登場人物が使用している携帯がガラケーなんですよね。それはこの作品が制作された当時の携帯電話がそういったものだから当たり前なんですけど、そこを叩く人もいるわけです。もう少し未来的に考えて携帯電話の進化とか街並みとか、その他諸々考えるべきだったんじゃないの? なんて。

 でも、こういう携帯電話とか既に普遍的な役割を持つものって、いくらか進化をしていく段階で初期モデルに近いものも登場する可能性があるじゃない。ほら、先祖返り的な。そういう可能性も捨て切れないのだから、一概に想像力の欠如とか言い切れないだろうし、2047年でもガラケーっぽい携帯を使ってる人はどっかに必ずいると思いますよ。

 それはそれでいいじゃない。別に大事なことは携帯電話とかメールの画面が古いことじゃなくて、史上最大の遠距離通信を繰り返す恋人たちの切ない物語なんだから、そこを観ようぜって感じで。

タルシアンにみるセカイ系っぽい印象

 異星人のタルシアンって体が切れたり破壊されたりすると出血するんですよね。やっぱりこれは例の、紫色の初号機が活躍するアニメの影響もあるのかも知れませんが、異星人も血が赤色なんだなぁーっと感じました。ドラゴンボールのピッコロは紫色で、エイリアンのアッシュは白色……ただ、赤色の血液ということは何かしらタルシアンの源流を辿っていくと、実は地球人と繋がるルーツがあるんじゃないかと思ったりもしたり。この辺りは妄想でワクワクするのも悪くない。

そのまま終わる話について

 本作も恋愛ものになるはずなのですが、報われない話です。これが新海監督の特徴と前はよくいわれていたのですが、報われない恋愛の話ってとても美しいと思うんですよね。サスペンスでいえば、殺人事件が発生するのに事件が解決せず犯人も捕まらずに終わるみたいな感じで、淡々と終わっちゃうのが『ほしのこえ』。でも、それでいいと思う。ずっと逢えなかった恋人たちが出逢うのは確かにハッピーエンドで泣いちゃうけど、離れたままで終わった方が、余韻がある。そのあと逢えれば良いと思いを馳せることが出来るから、別にそのままでいい。この考え方が、ある意味では悲観的なのかも知れませんが、世の中はそんなことばっかりです。

 今日はレトルトスープを飲もうと思ってお湯を紙コップに注いだらそれが倒れて溢れて零れてテンションが落ちたけど、これもある意味では切なさの余韻を感じる出来事だったので、私も世界を感じることが出来ました。

 

何もかもがスタイリッシュでカッコイイ『スナッチ』を観ました

映画

死体の始末方法で豚の餌とするのは有効な手段なのか

 よく「お前なんて豚の餌にしてやる!」という風なセリフをギャング映画などで目にするのですが、実際に豚の餌にした所で、死体の始末としては本当に有効なのでしょうか? これまでに様々な映画で死体の始末に苦慮するシーンを目撃してきましたが、やっぱり跡形もなく死体を消すとなれば『冷たい熱帯魚』の村田幸雄みたいな方法が一番なんじゃないかと感じます。ただ、残虐な表現が制限されているレイティングの映画だと、こういったデリケートな事柄を扱うのには限界があるのかも知れません。ヤクザの十八番といわれるコンクリート詰めでの海中投棄も、死体自体は消えるわけではないですからね。やはり燃やす・溶かす・食べるのいずれかに収束していくのでしょうか。

 現実の事件でも死体の身バレを防ぐために『手首ラーメン事件』というのがあったりして、あれも死体の始末に苦慮した挙句、ラーメンに入れちゃうということをやってのけたのですが、結局はバレるという案件でした。ここまでで分かるように、人を一人消すのは非常に大変なのだな、と。

 こうした内容は<豚の餌>というキーワードから連想したことを適当に書いているだけなのですが、何故こういったことを記したのかというと、本作に登場する残酷が服を着て歩いているような男ブリックトップ(アラン・フォード)が豚に死体を食べさせることを熱心に語るシーンが印象的だったからです。しかし、そこは別に本作の魅力的な部分ではなく、あくまでもこの映画はスタイリッシュでカッコイイということを皆様には知って頂きたいなというところです。

あらすじ

4本指マンことギャンブル大好き男であるフォーフィンガー・フランキー率いる強盗団は、超でかい86カラットのダイヤモンドを強奪することに大成功! その際に小さいダイヤモンドも沢山手に入れます。86カラットをニューヨークのボス・アビーへ届ける道中で小さいダイヤモンドを売っちゃうためにロンドンへ立ち寄ったが、これがフランクにとって壮絶な不運の始まりなのであった。
ロンドンでは裏ボクシングのプロモーターを営んでいるが安いトレイラーしか持っていなくて悶々としているターキッシュという男がいたが、話の流れで八百長が失敗し、闇のギャング王こと残酷が服を着て歩いているといわれるブリックトップの逆鱗に触れてしまう。「この埋め合わせはどうしてくれるんじゃ!」ということで、再び八百長を成功させようとターキッシュは奔走することになるのだが……。


Snatch (2000) - Trailer

 映像表現がカッコイイ、そして役者もカッコイイ

 カッコイイ映像表現についてですが、本作ではまるで音楽PVのような演出が挙げられます。それは映画が始まってすぐに分かるのですが、防犯カメラを利用したセンスの良いカメラワークから「お、この映画は期待出来そう」とハッピーでワクワクする予感を抱かせてくれます。そして強盗が発生するシーンから、非常に<映像が楽しい>という珍しい映画鑑賞体験をさせてくれるのです。映像の楽しさで飽きさせないのは監督の手腕が成せる技ですね。

 本作の監督であるガイ・リッチーは『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』で注目を集めたそうなのですが、スタイリッシュでセンスの良い映像に定評があり、本作で重要な役どころを演じるブラッド・ピットも前述の映画を観て感動し、ガイ・リッチー監督と仕事がしたいと熱望して本作での出演が決定したそうです。実際、破格の(安い)ギャラで出演しているそうなので、純粋に良い作品に出たいと考えている俳優なんだなーと思います。

 ブラッド・ピットがカッコイイのは言わずもがななのですが、主演のジェイソン・ステイサムもまだそこまで有名ではなかった頃にも関わらず、安定した演技を観せてくれます。その他の俳優陣もノリノリ! なんですが、そういえば女優さんは出てこなかったですね。男ばっかりでした。何かしら意図していることがあるのかしら。

 私がとても気に入ったキャラクターが<弾丸をくぐる男>といわれている超タフな元ロシア工作員、ボリス・ザ・ブレイドラデ・シェルベッジア)です。理由はめちゃくちゃイカれてるからです。そして超タフ、タフさ加減が半端じゃない。殴っても死なないタイプではなく、死んでも甦るタイプのタフさです。他のキャラも愛くるしいので、観る人によってお気に入りは変わるでしょうね。

二転三転するストーリーは伊坂幸太郎作品を思い起こさせる?

 先が読めないストーリーや、様々な登場人物が織りなす群像劇という描き方から、伊坂幸太郎作品を思い起こしましたね。彼の作品で『ラッシュライフ』というのがありましたが、オシャレな感じとかクールな雰囲気が少し似ている気がします。内容は全然違いますけどね。どちらかが好きな人はどちらかも好きでしょう。『スナッチ』観て気に入った人には『ラッシュライフ』も読んで欲しいですね。

 さて、86カラットのダイヤモンドの行方ですが、この86が時たま84カラットになったりする。話によると、単純なミスであるという説もありますが、皆が不確かなものを追い掛けているということを考慮すると、86が88になったり82になったりするのも不思議ではありません。目的は巨大なダイヤモンドを手に入れることなので、カラット数は付随してくる別要素として、登場人物たちにとっても、そこまで重要ではないんだろうなという気がする。そう考えると、固有名詞とかが度々変わるという演出は、そこはかとなくリアルであるともいえる。どっかで使えそうな知識なので覚えておこうと思う。

どうでもよい会話に命を懸ける

 クエンティン・タランティーノ監督作品でもあるのですが、どうでもよい会話が多用されて物語の本質に一切タッチしない、という場面があります。冒頭で記した豚の餌の話も、別にそこまで薀蓄があるわけでもなく、ダラダラとしてしまっている個人主観の拘りのみで語られているものなのですが、そのダラダラさ加減が個人的にはたまりません。それは何故なのでしょうか? きっと、私自身が普段からどうでもよい会話を多用しているからなのでしょうが、どうでもよい会話にこそキャラクター性が生まれるということもあるのだろうな、と感じます。キャラクターを描くのであれば、ストーリーに関係のない雑談をしてもらうのが最も良いのかも知れません。本作にも豚の餌の話以外にどうでもよい会話がされるシーンがあります。例えば、プロローグ部の「古代ギリシャの学者は、ヘブライ語で書かれた若い娘という単語を処女と誤訳した」なんて話とか。かなりどうでもよいけど、こういった視点や個人の信条こそが、キャラクターを描く上で重要なのです。

ラッシュライフ (新潮文庫)

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きれいなブルース・ウィリスを少しだけ堪能出来る『サロゲート』を観ました

映画

ちょっと前の映画かと思っていたんだけど

 最近、時間が経つのが早いのもあるのですが、今回取り上げている『サロゲート』も個人的には「お、3〜4年前の映画だっけ? なんか近未来的なやつだっけかな」くらいの印象しかなく、よくよく調べてみると2010年の映画で6年前! 小学生なら中学生になってるよ。つい最近かと思ってたけど、つい最近ってのが年を取ると滅茶苦茶アバウトになってくる。ついこの間……ってのが10年前なんてザラだ。ついこの前が15年前だったり。光陰矢の如しは年齢が上がってくるにつれ痛切に身に響いてくる。年取るだけで、近未来はまだ遠い。ホバーボードもまだ完成してないですし。ただ、この映画のような世界は近付いているのかも知れませんね。ロボットをリモートコントロールするような未来が(表現が古い!)。

サロゲート [Blu-ray]

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 あらすじ

 世界は革新的な技術である<サロゲート>で安心・安全な社会を実現していた。サロゲートとは脳波で遠隔操作が出来る精巧緻密な人型ロボットで、いわば操作をする人間の分身である。このサロゲートの一番の特徴は安全性であり、サロゲート自体がどのような状態になっても、それを操作する人間側には全く被害はないのだ。おかげで、みんなサロゲートに頼り切りで自宅から外に出なくなってしまった。人類総引き篭もり社会というある種の人間にとっては理想的な世界が到来してしまったのである。

 ある夜、裕福そうな青年サロゲート(イケメン)が夜のクラブに飛び込んだ。そこにはリア充サロゲートが沢山である。ロボットであるにも関わらず美人なサロゲートを発見した青年サロゲートは手馴れた様子でイチャつき始める。これがまたアメリカンなイチャつき方なのだが、それに腹を立てた通りすがりのバイクマン(生身の男性)がそのカップルサロゲートを破壊する! 腹が立ったからといって簡単に破壊するのもどうかと思うが、ここでサロゲート安全神話が崩れ去る。なんと、操作をしていた側の人間も脳漿飛び散らせて爆発。これはとんでも無いこと! しかも美人サロゲートは操作をしていたのがピザ男性だったことから、新たなサロゲートの問題性も浮き彫りになってきそうな。しかし、それは社会問題が得意な報道ステーションに任せるとして、操作している側の人間がぶっ壊れるのは大問題である。サロゲート安全神話が吹っ飛ぶと世間体を保てなくなってしまうことから、困った時のFBIということで捜査官のトム・グリアー(ブルース・ウィリス)とジェニファー・ピータース(ラダ・ミッチェル)が捜査を始めることになるのだが……。

ロボットメイクのきれいなブルース・ウィリス

 この映画の最大の見所は、異常に肌のきれいなブルース・ウィリスである。サロゲートは自分と異なった姿のモデルを操作することも出来るが、トム・グリアーは理想的な自分の姿をサロゲートに投影したようだ。それはブルース・ウィリスの理想的な姿といっても過言ではないだろう。特筆すべき点は髪がフサフサであること。私が髪のフサフサな彼を観たのはいつ以来だったか? 思い起こせば『シックス・センス』じゃないだろうか? それ以降、ブルースは徐々に後退を始めていたが、この時代に来てフサフサになるとは本人も思っていなかったであろう。他のキャスト陣も異状に綺麗な肌をしており、嘘臭さがサロゲートの本質を表現している所は良かった。瞳に光が宿ってない加工もされていたのかな? 無機質さが素晴らしかったですね。

 私がこの世界に生きていたら、周りがロボットであることを分かりながら生身で彷徨いたい。それがディストピアってもんだろう。エクスタシー感じそうだ。

サロゲートという素材は良かったのだが

 本作は90分程度のSFとしては短めの作品だった。気楽に観ることは出来たのだが、物語性は普通。もう少し騙しやミスリードを多用して欲しかったのだが、本筋のオチは何だか締まらないものだった。ストーリーを楽しむというよりは、もしもこんな世の中になったら怖いよね!? っていうifを楽しむものだったのかと感じました。

 それでもまあ良かった部分としては、

  • ブルース・ウィリスタコ殴りシーンが健在だったこと。ブルースはアクションで格闘する時に独特の呼吸法を駆使します。「フゥ〜、フッフー」みたいなあれ。『ダイ・ハード』シリーズなどを観ている方にはお馴染みかと。
  • サロゲートサロゲートサロゲートをやらなかったこと。つまりはサロゲートした後に、サロゲート先のロボットがまたサロゲートしてサロゲートするっていう話。ややこしくなるからね、まあ使い方としてはあっても良かったのかも知れませんが、今回はありませんでしたね。あれ? でも思い起こしてみればサロゲートサロゲートはあったかも……。
  • クライマックスのバタバタシーン。ネタバレに繋がるので、こういう書き方ですが、バタバタッーってなる部分は観ててワクワクしましたね。後処理が大変そうだなと思いました。

 ざざっと書いてきましたが、突っ込み所も満載なため、そういった部分が気になる人は合わない作品かも。例えば、何年もサロゲートに頼り切りの人間が遠隔装置から体を起こして歩き出そうとするのは少し大変なのでは? というとことか、毎日ご飯を食べるのは生身の体だからある程度は問題ないのだろうか? サロゲート使う人は1日に規定の運動量をこなさなければならないとか。

今後、こういう世界は実現するかも

 ちょうど、PSVRが発売されて、拡張現実が世の中にも普及しつつあります。まだVRは映像を楽しむことやゲームをプレイすることが主流ではありますが、今後は現実に影響を与えるような遠隔操作が出来るものが作られていくでしょう。私もPSVR欲しいですが、高いので6年後くらいに。 

PlayStation VR

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梅宮辰夫の登場、三上と上田の本気の勝負『日本統一2』を鑑賞しました

映画

あれから8年経ったらしい……

 ヤクザと聞いて最近、思い起こすことといえば、先日ニュースになっていた山口組と神戸山口組のいざこざ? 司忍組長がどこかの駅に到着した際に、神戸山口組の組員さんが「サインくださーい! サインくださーい!」と言って謎の圧力を掛けた、というのがありますが、これは私が創作した話ではなく本当のことです。「サインください!」の言い方が気合いが入り過ぎて「シャインクダィッツ!」になっていたりと、なかなか感情が込められていて思わず口に手を当ててしまいましたが、これが現代の挑発行為なのかと思うと、それもまた感慨深いものがあります。

 サクッと調べてみると動画もありましたので、是非ご覧になってください。ここには載せませんけど。

 ということで、前回に引き続き『日本統一2』を観ました。それなりに内容に触れますが、大事なところはボカしていきたいと思います。

日本統一2 [DVD]

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 あらすじ

 田村が逮捕されてから8年後……刑期を終えた彼は無事にシャバに戻って来るが、相棒の氷室は立派なヤクザになっており、田村的には軽いジェネレーションギャップを覚えるのであった……。後輩達もみんな「おじき!」って呼んでくるし、ひじきしか知らない田村は「おじきってなんだよ(笑)」と返答しますが、誰も教えてくれないので、非常に残念。ちなみに「おじきってなんだよ(笑)」は今回、二度ほど発しますが、みんな何も返してくれないところを見ると「マジでヤクザになっちまったか……俺はおじきなのか……」と田村は軽くショックを受けるのでした。

 そんな折、権力闘争に敗れた侠和会の上田組長は「靴下が小さい! お腹が痛い!」と文句を言って会合に参加しようとしないのですが、部下の三上組長が頑張って機嫌を取ることに必死になり、三上も「ほんま子どもと変わらんで!」と鋭く突っ込むのでした。ただ、世の常というか人の常というか、上田組長は武闘派なのでしょうが、新しく会長に就任した白竜さんとはどうにも馬が合わない様子で、自分の部下が役職を外されたと知るや「先週言うてたこととちゃうやないか!」とブチ切れ。会長にお茶を掛けようとしますが、すぐに自分を取り戻して謝罪。それもそのはず、まさに話の流れをぶった切る<お茶を濁す>状態となりかねなかったため、いい加減に大人にならないといけない状況なのであった。上田組長、反省の色を浮かべつつ「今に見とれよっ!」と本心のところではやっぱり反駁することは忘れない。瞳に宿るものが違います!

 徐々に立場がなくなって来る上田組長は、それでも盃を交わした親として、三上のことは気に掛けているようで、敢えて自分を悪者にし、三上を出世させようとします。しかし、やり方が下手過ぎるのでマジなのかどうなのか分からず、観ている方はハラハラしっ放し。最終的には組を割って出ることになり、三上グループともマジの殺し合いが勃発することになるのだが……。

主役誰だっけ

 確か、このVシネマでは主役は氷室と田村のはずなのですが、今回はとても影が薄かったですね。まあ、ヤクザの権力闘争の話になってしまうと、現状、組織の中で新人に部類する二人が早々に表立って活躍することは出来ないのも自明の理なのですが、本作ではまるで三上が主人公みたいな扱いでしたね。登場シーンも多いし。第1話ではそんなに目立たなかったのですが、存在感を増してきましたし、筋が通った性格もあって侮れない人だなぁと感じた次第です。

 主役は三上だったのか、と、この辺りで気が付きます。三上頑張れ! 上田鬱陶しいぞ! と思ったりしちゃいます。

 今作でのハイライト、銭湯で戦闘のシーンがあるのですが、余りにこの<銭湯で戦闘>のインパクトが大きく、私は「刺青ってやっぱり俳優の人には刺青シールで貼り付けてるのかなぁ」と考えてて全然集中が出来ませんでした。

 ちなみに関係ない話ですが、前回の話で活躍した哀川翔さんは今作でも回想シーンで登場し、横浜で拳銃を振り回しつつ暴れ回っているとのこと。やはり悪い人だけど良い人なのは健在なようで、心底安心である。

謎の大物、梅宮辰夫

 前回の1話、そして今回の2話いずれでも重要そうな人物として姿を見せる梅宮辰夫。ただ、どこかの組の組長役なのは分かるのですが、一言も発しないので何なのか一切分かりません。謎の大物なのは分かりますが、謎の大物であることしか分からず「こいつは一体誰なんだ?」と考えている内に2話も終わってしまいます。梅宮辰夫が潤んだ目で何かを見つめている。梅宮辰夫が何も言葉を発せずに佇んでいる。そこには情緒とか、風流の余韻なんかを感じるが、何も語らないし話に絡んで来ないので「だったら出て来るのは後でも良いんじゃないか」「都合が付かなくて梅宮辰夫のプレートが置いてあるのではないか」「実は3DCGリアル過ぎる女子高生Sayaならぬリアル過ぎる極道者Tatsuyaなんじゃないか」などと色々と思いが巡ってしまうが、結局は分からず仕舞いなのである。

スキンヘッドは怖い

 今回、感じたことのひとつですが、やっぱりスキンヘッドって悪役なイメージがあって怖いですね。スキンヘッドで思い出すのはSquarepusher - Come on My Selectorですよね。これは万人共通だと思いますけど。え? そんなことないですか? 痛烈なスキンヘッドPVをご存じない方は是非、こちらをお楽しみください。


Squarepusher - Come On My Selector

 日本統一はまだ観続けようと思います。

東京アンダーワールド (角川文庫)

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超名言の登場、チンピラとヤクザの本気の勝負『日本統一1』を鑑賞しました

映画

Vシネマは安心して観られる

 ヤクザの出てくる映画が好きです。それは何故かというと、基本的に殴り合っているだけだからです。確かに、戦略性に富んだインテリヤクザも出てくるには出てくるのですが、そういった利口なヤクザは、上司や部下の勝手な行動に右往左往してストレスを溜めまくる可哀想な中間管理職なので「ヤクザもサラリーマンと変わらんなぁ」と感慨深くなります。実際、本職のヤクザの方が北野武監督作品などを鑑賞すると「ねーよ(笑)」となって爆笑しながら観れるということで、それもまた気楽なのですが、今回はVシネマです。ドラマ的ヤクザが分かりやすく入り乱れて、組のメンツとか義理とか人情とか、なんかそういう色々なごちゃごちゃとしたものが右から左に流れていくのですが、やはり今作も勝手な行動を起こしてしまう一部の部下に頭を抱える上司ヤクザが観られてよろしい体験でございました。

 というわけで、今回視聴をしたのはこちら『日本統一1』です。以下、ネタバレも若干含みます。

日本統一 [DVD]

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 あらすじ

 横浜でチンピラ行為を繰り返し、親父狩りで金を稼いだり、行きつけのスナックで暴れたりしてヤクザを怒らせたり、いわゆる愚連隊として周辺に迷惑を掛けまくっている有名不良の氷室(本宮泰風)と田村(山口祥行)。スナックで好き勝手してたら怒って現れたケツ持ちのヤクザをぶっ飛ばしてスナックの乗っ取りに成功! その後、ヤクザの復讐に遭うが、組事務所ごと崩壊させる。組長はとばっちりの涙目である。

 調子に乗り過ぎたためか、壊滅させた安西組の親組織からも狙われるようになったので、Vシネマで有名な哀川翔さんの手引きによって神戸に逃げる。哀川翔さんは相変わらずの安定感を見せて悪い人なんだけど良い人です。

 神戸に着いてから「意外に良い街だなぁ、ここで俺たちしばらく暮らそうぜ!」と、知らない土地への適応能力抜群の氷室と田村。早速、その適応能力を発揮しシャブを売り捌いている売人を見付け次第、容赦なく襲撃します。すると、大阪の超漢らしいヤクザ侠和会の川谷(小沢仁志)とばったり遭遇! シャブの売人は川谷のシマを荒らしていたようで、川谷も凄いラッキーとばかりに売人をゲットします。売人はコンクリートに詰められて海に沈められることが決定した所で、氷室と田村は川谷に大金を貰いました。そんな時に川谷が「兄ちゃんら、あんまフラフラしないで真面目に漢の道を決めなあかんで!」と親身になってくれるのでした……。

田村殴りまくり

 主人公は氷室なんですが、氷室はストーリー冒頭こそ暴れまわってたものの、自分の組を立ち上げてからは冷静なインテリヤクザに変貌します。しかし、幼い頃から相棒の田村は馬鹿ほど好戦的です。気に入らない奴が歩いてるだけで殴っちゃうタイプですし、すぐに「派手な死に花を咲かそうや! お前らも覚悟出来とんのやろ!」と、自分の後輩も巻き込んじゃう困ったやつです。とにかく暴れたい人でテクノスジャパンくにおくんみたいに高速ピストンパンチも得意ですし、どこで拾ったのか知りませんが拳銃も持ってます。「こいつは迷惑な野郎だなぁ」と思うものの、今回の話では終盤に大きな決断をし、漢を見せる点に関しては「まあ、任侠に憧れているチンピラなんだな」くらいには感じます。今後、どう成長していくのかが見ものだなと。

川谷カッコ良過ぎ

 ウイスキーが大好きな川谷さんというヤクザがいるのですが、とにかく川谷さんカッコ良過ぎです。風貌もそうですが、氷室や田村に対して「漢とはのう……」とすぐにカッコ良い大人になるためのアドバイス(説教?)をしてくれます。好戦的なだけの田村も川谷さんのことだけは「あのおっさんカッコイイな!」と大興奮です。小沢仁志さんの好演が光る。

 今回のストーリーで、主人公である氷室が巻き込まれる騒動があるのですが、この川谷さんがキーポイントとなってきます。川谷さんは現在の所は非常に面倒見が良いおっさんです。お金も持ってますし、ダジャレも得意そうです。きっと仲間にも慕われているに違いありません。

伝説の名言が登場した

 本作は長編シリーズの第1作目ですが、早速面白い名言が登場しました。

 先ほどからべた褒めしている川谷さんのセリフでこんなのがあります。

「けじめとスイーツ! これでシャンシャンや!」

 この言葉には大きな意味合いが込められているのですが、本作の核心に触れるのであまり詳しくは記すことは出来ません。概要だけ書いておくと、大きな問題の解決を図るために、漢のけじめとしての行為、そして大好物のスイーツ、この二つが揃えば大抵のことは解決する。つまり、「ちゃんちゃん」なのだが、大阪の方言なのか川谷さんの滑舌が悪いのか、何度聞いても「ちゃんちゃん」が「シャンシャン」に聞こえてしまう。これは由々しき問題なのですが、一歩翻ってみると単純に川谷さんの茶目っ気である可能性にも思い当たり、そりゃスイーツもあるし、けじめも付けたし、まあ仕方ないかと思っている所に「シャンシャンや!」って言われたら、もう大体のことは決着が付きます。仲間が拳銃でバンバン撃たれまくってしまっても、けじめとスイーツ! これでシャンシャンになってしまうのです。この強引さは川谷さんの魅力であります。

 よって、これは名言認定しても良いかと存じます。

よく分からないのですが、まだ完結してないっぽい

 気楽に観れるなぁ、と感じつつも、よくよく調べてみると『日本統一18』とかまでリリースされていて「あれ? まだ完結してないの!?」と私は大きな衝撃を受けているのですが、のんびりと鑑賞を続けて全部の感想を書いてしまいたいと思います。

 本稿はこれでシャンシャンです。


エンタメ~テレ7月のオススメ「日本統一」

 

続きは以下、

kikinight.hatenablog.com

 

ギャングスタードライブ (幻冬舎文庫)

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